那須塩原清水歯科・矯正歯科

虫歯治療2

虫歯治療2

2026年01月28日 14:40

進行度(C0〜C4)別の虫歯治療の選び方

虫歯治療が「何回かかるか」「どこまで削るか」「費用や負担がどのくらいか」は、虫歯の進行度で大きく変わります。歯科では一般的に、虫歯の深さをC0〜C4のように段階で捉え、状態に合わせて治療法を選びます。

C0:ごく初期(穴はなく、白く濁るなどの変化が中心)
C1:エナメル質の虫歯(表面に限局)
C2:象牙質まで進行(しみやすい・詰まりやすいことが多い)
C3:神経(歯髄)まで到達(強い痛み、根の治療が必要になりやすい)
C4:歯冠が大きく崩壊(残せるかどうかの判断が重要)

この分類はあくまで目安ですが、イメージとしては「浅いほど削る量が少なく短期で終わりやすい/深いほど治療工程が増えて通院回数も増えやすい」と捉えると分かりやすいです。また同じC2でも、場所(歯と歯の間・噛む面・歯の根元)や、過去の治療歴(詰め物の下の再発)によって選択肢は変わります。

ここからは、C0〜C4それぞれで一般的に選ばれる治療を、怖がらせずに整理しながら、「削らない管理」と「修復治療」「根の治療・抜歯の判断」まで順に見ていきましょう。


C0・C1:初期虫歯は削らないこともある?

C0〜C1の初期虫歯は、状態によってはすぐに削らず、経過観察や予防的な管理を選ぶことがあります。理由は、歯には「溶ける(脱灰)」だけでなく「戻る(再石灰化)」の力があり、条件が整えば初期変化が落ち着く可能性があるからです。

再石灰化が期待できるのは、たとえば次のような条件がそろうときです。
・虫歯がごく浅く、穴が開いていない(または極小)
・磨き残しが改善できる見込みがある
・フッ素を適切に使える(歯みがき粉・塗布など)
・間食の回数や飲食の習慣を整えられる
・定期的にチェックできる(見逃さない体制がある)

この段階で大切なのは、「削らない=放置」ではないことです。自己判断で何もしないままだと、生活習慣や磨き残しが変わらず、静かに進行してC2以降へ進んでしまうことがあります。一方、歯科で状態を確認しながら、フッ素や清掃指導、必要に応じたクリーニングを組み合わせて管理するのは、進行させない治療と言えます。

経過観察を選ぶ場合でも、次回のチェック時期(いつ再評価するか)と、家での具体的な取り組み(どこをどう磨くか、歯間ケアをどうするか)をセットで確認しておくと安心です。「今は削らない方がよい」のか「今のうちに小さく治した方が結果的に楽か」は、虫歯の場所やリスクによって変わるため、検査結果をもとに一緒に判断していきましょう。


C2:詰め物(インレー)・レジンで治すケース

C2は、虫歯が歯の内側の象牙質まで進んだ状態の目安です。冷たいものがしみる、甘いものがしみる、食べ物が挟まりやすいなど、日常で気づきやすくなる一方で、痛みが強くないまま進むこともあります。C2になると、虫歯部分を取り除いたあとに歯の形を回復するため、レジン(樹脂)で詰めるか、詰め物(インレー)を入れるなどの修復が必要になりやすくなります。

レジン充填(いわゆる白い詰め物)になりやすいケースは、虫歯の範囲が比較的小さく、当日しっかり形を作れる場合です。忙しい方にとっては1回で完了する可能性がある点が魅力ですが、噛む力が強い場所や範囲が広いケースでは、欠けやすさ・すり減りなどを考慮して別の方法が選ばれることもあります。

インレー(型取りして作る詰め物)になりやすいケースは、削る範囲が広い、歯と歯の間にまたがる、噛む面の形を精密に再現したい場合などです。インレーは基本的に型取り→技工物の作製→装着という工程があるため、最低2回以上の通院になりやすいのが特徴です。

型取りが必要と聞くと大げさに感じるかもしれませんが、噛み合わせや段差が合わないと、詰め物の境目に汚れが残って再発しやすくなることがあります。きちんと合った修復物を入れることは、見た目だけでなく再発予防にもつながります。

詰め物・被せ物は素材によって見た目、汚れのつきにくさ、耐久性、費用の考え方が変わります。保険の範囲で選べるものもあれば、見た目や長期的な安定性を重視して自由診療の素材を検討することもあります。どれが正解というより、虫歯の場所・噛む力・見た目の希望・再発リスク・予算をすり合わせて決めるのが現実的です。

C2はここで止めれば、神経を守れる可能性が高い境目になりやすい段階です。忙しくても中断せず、最短で修復まで終えることが、結果的に通院回数の増加や再治療を防ぐ近道になります。


C3・C4:神経まで進んだ虫歯(根管治療・被せ物・抜歯)

C3〜C4は、虫歯が深く進み、神経(歯髄)に炎症が及ぶ/歯の大部分が崩れている状態の目安です。この段階では「削って詰める」だけでは回復が難しく、根管治療(根の治療)や被せ物、場合によっては抜歯を含めた判断が必要になります。

神経に強い炎症があると、痛みがズキズキ続いたり、噛むと響いたり、何もしなくても疼いたりします。こうした場合、神経を守る処置では症状が改善しにくく、神経を取って根の中をきれいにする治療(根管治療)が検討されます。逆に、症状が軽くても虫歯が神経に近い場合は、検査結果をもとに神経を残せる可能性があるかを慎重に判断します。

根管治療は、歯の根の中(細い管)にある感染物質を取り除き、消毒し、再感染しないように封鎖する工程です。根の形は複雑で、炎症が強いほど中の状態も不安定になりやすいため、1回で完了しにくく、複数回の通院が必要になることが少なくありません。さらに、根の治療後は歯の強度を回復するために土台を作り、最終的に被せ物で守る流れになるため、工程が積み重なります。

C4に近づくほど「残せるかどうか」の判断が重要になります。一般的には、次のような点を総合して考えます。
・歯ぐきの中まで虫歯が及んでいないか(修復の土台が確保できるか)
・歯の根に大きなひび割れがないか
・根の周りの骨の状態はどうか
・根管治療後に被せ物で長く機能させられる見込みがあるか

抜歯は無理に残して痛みや炎症を繰り返すより、結果的に負担が小さくなることもあります。一方で、残せる見込みがあるなら、根管治療と被せ物で歯を活かす選択肢も十分にあります。どちらが自分にとって納得できるかは、治療期間・再治療リスク・費用・今後の生活まで含めて相談しながら決めるのが安心です。


精密さが結果を左右する場面(例:隔壁・拡大視野・感染対策)

根の治療(根管治療)は「見えないところを、細い管の中で行う」治療です。だからこそ、同じ根の治療でも、手順や環境の違いが結果に影響しやすい場面があります。

たとえば根管治療では、治療中に唾液や細菌が入り込むと、再感染のリスクが上がります。そこで重要になるのが感染対策です。歯だけを露出させて治療野を隔離する方法(いわゆる隔壁・ラバーダムなど)や、器具の滅菌・治療手順の徹底は、根の中をきれいに保つうえで大事な考え方になります。

また、根の入り口や細い分岐は肉眼では見えにくく、削りすぎ・取り残し・見落としが起きやすい領域です。そのため医院によっては、拡大視野(拡大鏡など)を活用して、見える情報を増やしながら丁寧に進めます。見える範囲が広がると、不要に削りすぎるリスクを抑えたり、感染源を取り残しにくくしたりといった方向に寄与します。

虫歯の深さや根の形には個人差があり、必ず成功すると断言できるものではありません。ただ、重度の虫歯ほどやり直しが難しくなりやすいのは事実です。根の治療が必要と言われたときは、どんな手順で進めるのか、感染対策はどうしているか、治療の見通しはどうかを確認して大丈夫です。

当院でも、拡大視野の活用や治療中の感染対策など、精度を高める工夫を取り入れています。なるべく歯を残したい、再治療は避けたいという方は、検査結果をもとに治療の選択肢と手順を分かりやすくご説明しますのでご相談ください。


虫歯治療の流れ(初診〜治療完了まで)

虫歯治療は「とにかく削る」のではなく、まず検査で現状を把握し、進行度に合わせて最小限の処置から計画的に進めるのが基本です。初診当日は、痛みが強いときは応急処置が優先され、しっかり治す本治療は次回以降になることもあります。

全体の流れは、初診(問診・検査・説明)→虫歯の除去→修復(詰める・被せる)→噛み合わせ調整・経過観察という時系列です。忙しい方は、次回までに「治療の優先順位」「通院ペース」「素材の希望(見た目・耐久性)」を整理しておくと、判断がスムーズになります。

ここからは、初診で何をするのか、治療中に何が行われるのか、治療後にどこをチェックするのかを順に解説します。

初診:問診・検査・治療方針の説明

初診では、いきなり治療に入る前に「何が起きているか」を整理します。まずは問診で、痛みの有無・しみるタイミング・いつからか・過去の治療歴・治療への不安(痛み、回数、費用、時間)などを確認します。ここで「仕事の都合で短期集中がいい」「麻酔が苦手」「見た目も重視したい」など希望を伝えておくと、後の計画が立てやすくなります。

次に、視診やレントゲンなどの検査で、虫歯の深さや範囲、詰め物の下の再発、根の先の炎症の有無などを確認します。痛い場所=原因の歯ではないこともあるため、検査で原因がはっきりすると安心材料になります。

痛みが強い場合は、初診当日にまず痛みを落ち着かせる処置(応急処置)が優先されることがあります。たとえば、強い炎症があると麻酔が効きにくいこともあるため、無理に進めず、鎮静を優先して本治療に備える判断がされることもあります。

検査後は、治療方法の候補、回数や期間の目安、概算費用が説明されるのが一般的です。ここで「今日はどこまでできるか」「次回までに決めることは何か(素材、通院頻度、優先順位)」を確認しておくと、忙しい方でも通院の見通しが立てやすくなります。

治療:虫歯の除去→修復(詰める・被せる)

治療日の基本は、「虫歯を取り切る」→「歯の形を戻して守る」という流れです。痛みが出ないように必要に応じて麻酔を行い、虫歯になっている部分を丁寧に除去します。そのうえで、失った歯の形を回復させる方法が、レジン充填(その場で詰める)か、詰め物・被せ物(型取りして作る)です。

レジン充填の場合は、虫歯を除去したあとに樹脂を詰めて形を整え、光を当てて固め、噛み合わせを調整して仕上げます。比較的小さな虫歯なら当日で完了しやすい一方、範囲が広い・力がかかる場所では、欠けやすさなどを考慮して別の修復が選ばれることもあります。

詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)の場合は、虫歯を取ったあとに歯の形を「被せやすい形」に整え、型取りをして技工物を作製します。完成まで期間が空くため、その間は仮の詰め物(仮封)や仮歯が入ることがあります。これは見た目のためだけでなく、しみやすさを抑えたり、歯が欠けるのを防いだり、歯の位置が動いて最終物が合わなくなるのを防ぐ意味もあります。

「今日はどこまで進むのか」は、虫歯の深さと症状で変わります。深い虫歯や根の治療が絡む場合は、1回で終わらせようとせず、感染や痛みをコントロールしながら段階的に進める方が結果的に安定しやすいことがあります。治療中に気になることがあれば、「今どの工程か」「次回は何をするか」をその都度確認すると、通院の不安が減りやすくなります。


治療後:噛み合わせ調整・経過観察・再発チェック

虫歯治療は、詰めた・被せたら終わりではありません。治療直後は、噛み合わせのバランスや歯の反応が落ち着くまでに時間がかかることがあり、仕上げの調整と経過観察がとても重要です。

まず、治療当日〜数日は「噛むと高い感じがする」「違和感がある」「冷たいものがしみる」といった反応が出ることがあります。とくに深めの虫歯を治した後は、神経が刺激に敏感になって一時的にしみやすくなることもあります。ただし、強い痛みが増していく、何もしなくてもズキズキする、噛むたびに鋭く痛む、腫れが出るなどの場合は、我慢せず早めに連絡・受診するのが安心です。

噛み合わせの調整は、見た目以上に大切です。わずかな「高い」状態でも、特定の歯に力が集中すると、詰め物が欠けたり、歯が痛んだり、顎が疲れたりする原因になります。違和感が続くときは「慣れの問題」と決めつけず、調整で改善できることが多いので相談してください。

その後は、再発チェックにつながる定期的な確認がポイントになります。詰め物や被せ物の境目は汚れが残りやすく、段差や噛み合わせの変化があると再発リスクが上がります。定期検診では、虫歯の再発だけでなく、歯ぐきの状態、歯間の磨き残し、かみしめの影響なども合わせて確認し、「治療後の歯を長持ちさせる」方向に調整していきます。

この流れが理解できると、次に気になるのが「結局、何回通うの?」という点です。次の章では、進行度ごとの回数・期間の目安と、忙しい人が治療を長引かせないコツを整理します。